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今日は謁見の日であった。
流石に4回目という事もあり、半ば慣れてきてしまっている自分に驚いている。
が、今日特筆すべきはそれではない。

今日私の身に起こった事を書き留めておく。

王宮へ向かい、アエミリウス王と謁見の最中、私の身に異常な変化があった。
王は合意シグナルの入力後、何故か私の手を強く握った。
「貴方の事が知りたい」と王が言われた後、私は言葉を発する事ができなかった。
それは物理的に開口できなかったという事ではなく、名状し難い感情が私をそうさせなかったのだ。

アエミリウス王の鎖のような装具が私の前で畝る度に、
それに反応するかのように私は対象のわからない苛立ちのような感情に襲われた。
これはなんという事が。

思い出すだけで悍ましい。

事もあろうに王に向かってそんな感情を抱いてしまうなどと、
アルバディトスの騎士としてあっていい事ではない。
王が手を引くと同時に、激しい憎悪の様な何かが私の中から取り払われた。

あれは何だったのだ。

今思い返してみれば、各国の王との謁見のたびに違和感の様な何かがあった。
私はどうしてしまったのだ。今日は酒など飲んではいない。

私は冷静だ。

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